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特集1/「住み続けたい」を叶える地域の活力
特集2/世界を「おっ!」と言わせるアイディアを!大分県版クリエイティブ産業
風紋/OITA4.0~大分県の産業革命
県民ひろば1/消防団員を地域ぐるみで応援します!
県民ひろば2/県職員の募集が始まります!
おおいたゆかりの図書 心ひらいて とよの国の食彩
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新時代おおいたNO.111 [PDFファイル/6.61MB]
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人口減少や高齢化により、生活に必要な集落の機能や活力が失われ、さまざまな不便や課題が生まれています。
県では、大分県版地方創生の柱の一つ「地域を守り、地域を活性化する」の実現に向け、国や市町村、地域と連携して取組を進めています。
★ネットワーク・コミュニティ
65歳以上の高齢者が50%以上を占める集落を、小規模集落と言います。県内ではその数が年々増えていて、平成20年に全集落の10 ・6%だった割合が、ピークとなる37年には37 ・3%にまで増えると推計されています。集落によっては、過疎化が進むことでバス路線や買い物の場、学校、病院などがなくなり、1つの集落で生活に必要な機能をまかなうことが難しくなりつつあります。
しかし、地域には豊かな自然や伝統文化、人とのふれあいなど、その地域ならではの魅力があり、愛着を持って「そこに住み続けたい」と望む人々がいます。
県では、近隣の複数の集落がそれぞれの特徴を活かしてつな がり、欠けた機能を補い合うことができる、より大きな地域コミュニティを作る取組を進めています。この集落同士のつながりによって構築する「ネットワーク・コミュニティ」を支援し、集落機能の維持につなげます。
県では、市町村とともに平成20年度に小規模集落対策本部を設置し、対策に取り組んでいます。
地域の皆さんがふるさとの課題を考え、将来を描き、それぞれの実情や段階に応じた取組ができるよう、ネットワーク・コミュニティ構築や地域活性化につながる支援策を設けています。
(1)新しい一歩を踏み出す 暮らしの和づくり応援事業
集落と集落がつながりネットワーク化するには、人や物が行き交う仕組みづくりが必要です。しかし、集落を支えていた働き盛りの世代が減り、仕組みを担う人材が不足しています。
そこで、社会福祉法人やNPO法人、企業、地域コミュニティ組織などが、新たな担い手として期待されています。集落機能や生活環境を維持していくため、集落の一員として住民と話し合いながら、地域の課題の把握・解決に向けて、新しい事業に挑戦する費用を県が支援しています。
〈人を地域を”食”でつなぐ〉
宇佐市の深見地区まちづくり協議会が、くらしの和づくり応援事業を活用して取り組むのは、「食を通じた地域のつながりづくり」です。地域の課題を洗い出す中で、高齢者を中心に多く聞かれたのが、「外に出る機会がない」「人が集まる場が欲しい」といった声です。そこで、拠点施設である交流センターに地域の高齢者が集まり、皆で楽しみながら食事をする機会を設けました。「調理は協議会の女性グループ『木楽会』が担当します。高齢者の見守りも兼ねた弁当やお菓子の配達も、取組の一環として検討しています」と事務局の清永さん。
「活動の中心になる4つの部会はありますが、地域の住民は皆が協議会のメンバーです。ゆくゆくは高齢者に限らず、誰でも気軽に集まれる食堂や居酒屋を定期的に開いて、地域の結びつきを強めていきたいですね」
清永五郎さん(前列右から2番目)と木楽会の皆さん
交流センターでの食事会。ふれあいの場として参加者に好評です。
(2)暮らしを守る 小規模集落・里のくらし支援事業
地域の住民や市町村、NPO法人、各種団体などが行う、集落の暮らしを守る取組を支援する制度です。
交流場所となる拠点施設の改修や地域の防犯・防災対策、高齢者の健康増進や買い物支援など、それぞれの地域の状況に応じた取組により、集落の維持、存続につなげます。
竹田市宮城地区では、地域の集いの場であった温泉施設の改修、再生を行いました。
佐伯市米水津の大内浦地区では、共用の農業倉庫を整備し、子どもたちの農業体験なども行っています。
(3)賑わいを呼び込む 地域活力づくり総合補助金
地域の資源や魅力を活かし、地域活性化に向けた取組を行う個人や法人、団体を支援します。
住民が中心となって地域の課題をビジネスの手法により解決するコミュニティビジネスや、観光と地域づくりを一緒に進めるツーリズム、農林水産業や商工業の振興、人材育成などさまざまな取組で地域を盛り上げます。
津久見市四浦半島の河津桜まつり。観光客を呼び込み、地域の活性化を図っています。
豊後高田市香々地地区では耕作放棄地を季節の花畑に再生。花を原料にした商品開発も。
★集落支援員・地域おこし協力隊
集落支援員は、県や市町村から委嘱を受け、集落の見回りや状況の把握などを行う「目配り役」です。市町村の職員や住民とともに集落の現状や課題を調べ、話し合いをしながら相応しい地域づくりに取り組んでいます。地域の実情に詳しい自治会長などが兼任するほか、集落対策の専門的な知識を持つ人材を外部から招く場合があります。
また、地域づくりに新しい風を吹き込んでいるのが、地域おこし協力隊です。市町村の募集に応じて、地域の外から移住した人材を隊員として委嘱。農林水産業の応援や住民の生活支援、地域ブランドの開発・PRなど、地域を元気にする活動に取り組みます。併せて、最長3年の任期後に定住・定着できるよう、受け入れ地域でも支援を行っています。県内では、現在130名以上の隊員が活躍中で、更に60名以上の隊員を募集予定です。
自分の好きな相手を想像して話ができるテレノイド。
実験で効果の高さが実証されている。
★小規模集落応援隊
小規模集落では人手が不足し、これまで住民が協力して取り組んでいた集落道の草刈りや水路の補修、祭の準備などの共同作業を行うことが難しくなっています。小規模集落応援隊は、集落からの要請を受けて、共同作業をお手伝いする取組です。
「集落の暮らしを守りたい」「社会貢献活動に取り組みたい」企業や団体は、申請書を提出することで応援隊に登録されます。集落が市町村や県を通じて依頼をすると、応援の内容や場所、時期などに合った応援隊が派遣されます。
応援隊と集落の皆さんが交流することで、継続的な縁結びを目指します。
宇佐市院内町小稲地区の高並神社の神幸祭。応援隊が神輿の担ぎ手として参加しました。
●対象
企業やNPO、ボランティアなど、2名以上の団体。所在地・住居地不問
●応募方法
ホームページのフォームから申請
登録申請書を市町村か県振興局または地域活力応援室に提出(FAX、郵送、持参)
●留意事項
通費や作業の手間賃などは、原則支給されませんが、参加者には県が作業時の保険を掛けます
応援隊の登録状況や活動実績は、県のホームページなどで紹介しています
●対象
65歳以上が50%を超える集落
●応募方法
お住いの市町村か最寄りの県振興局または地域活力応援室に連絡
●留意事項
依頼内容は集落の共同作業であり、個人の農作業や個人宅の敷地内の清掃などは該当しません
国東市安岐町諸田地区では、地域と応援隊が協力して草刈り作業を行いました。
問/地域活力応援室
☎097-506-2125